カウンセリングにご相談にお越しになられた方から、よく聞かれることです。
『涙を流すことは恥ずかしいことですか?』
笑うことは良いけれども、泣くのは恥ずかしいこと。
だから、絶対に人前で涙は流してはいけないし、我慢しなきゃいけないと思われて、この言葉が出てきたのでしょう。
私もどちらかと言うと、人前で泣くのはあまり好きではありませんでした。
泣くのは恥ずかしいことだし、カッコ悪いし、周りから馬鹿にされるのではないかという気持ち。
子供であればまだしも、ある程度の年齢の大人が泣けるわけない・・・。
どこかに見栄やプライドを感じて、絶対に涙は見せてはいけないと思っていました。
また子供のときに、親御さんや周りから、『男の子だから泣いてはいけない!!』と強く言われたのも、気持ちのどこかに眠っていて、それが結局今まで涙を見せてはいけないという考えが固まってしまっているのかもしれません。
涙を我慢することは無理をさせている
私はカウンセリングではクライアントさんに、『笑いたいときは笑い、泣きたいときは泣いてくださいね』とお話しています。
ご自分の気持ちの正直な部分を我慢せずに、そのまま出してくださいということで、そのようなお話をしています。
だから、もしセッションの途中で涙されることが有ればお話を止めて、またお話しできるタイミングになってから再開します。
カウンセリングというのは、ご自身の今の気持ちと向き合って頂く時間です。
自分が今、どんなメッセージを発信しているかを受け取って頂く大切な時間です。
だからこそ、その気持ちと向き合って、今私は泣きたいんだというメッセージを素直に受け取れているからこそ、涙が出ているのです。
その気持ちが受け取れているときですから、私は止めません。涙が落ち着いたときに、『気持ちと向き合えて良かったですね』という言葉をかけさせて頂いて、またゆっくりお話を再開します。
では、普段は涙は見せてはいけないのでしょうか?
私は、普段でも涙をしたいときは泣いても良いと思います。
笑いたいとき、面白いときは笑顔や笑い声が自然と出てくるのと同じで、泣きたいときや悔しいときに涙が出てくるのも、今のご自分の気持ちのメッセージなのです。そのメッセージを受け取ろうとしている瞬間なのです。
仮に、その涙を無理やりに止めて、泣くのを我慢することは、自分に無理を重ねて負担をかけていること。
そのちょっとの我慢が重なるから、段々とその無理に自分が耐えきれなくなるのです。
『泣くというのは特別ではなく、自分の自然な気持ち、気持ちの鏡』なのです。
だから、その気持ちに無理をすることはないし、笑うこと、怒ることなどと同じで、泣くことも自分の今の気持ちの素直なメッセージなのです。
涙は人の気持ちのメッセージ
泣くのは、男性はダメで、女性はOKかというと、それは間違いだと思っています。
泣くというのは、人の気持ちのメッセージなのですから、性別は全く関係ありません。
むしろ自然に泣けるというのは、自分の正直な気持ちを全部さらけ出せて、強い人だと思っています。
隠すことの方が、何か弱さを見せないようにしていて、どこか弱さを感じます。
今、もし悔しいこと、悲しいこと、辛いことが有って、正直に泣きたいという気持ちのメッセージが受け取れているのならば、その気持ちのメッセージを受け取ってください。
そして、その涙で気持ちを綺麗に潤してあげてください。
その涙が、あなたをさらに一歩自分らしさに近付けるものには間違いないのですから・・・。
京都カウンセリングスペース T’s room
こころカウンセラー
森山太陽
この記事へのコメントはありません。